ダンマパダこころの清流を求めて

ホーム>ダンマパダ本文【WEB閲覧】>ダンマパダ1巻>第4章

第四章 花の章
PUPPHA VAGGA(FLOWERS)


ダンマパダ_目次(全体_各章)
※↑は、全体目次(この章から離れます)

章内の目次は、↓の灰色のボタン「目次第〇章」



第58・59偈 青年ゴラハディナ

青年の話を聞きながら仏陀は、この招待を受けることによって 二人の青年は悟りへの第一段階である預流果(sotāpatti phala)を得る機会になるだろうと洞察した。

【偈 :Gatha】
58. 大通おおどお りのごみやまなか から 蓮華はすはな が、きよ らか なかお りをはな ち、ひとこころたの しませて きて いるように、

【パーリ語 :Pali】
Yathā saṅkāradhānasmin / ujjhitasmiṁ mahāpathe
Padumaṁ tattha jāyetha / sucigandhaṁ manoramaṁ

【英語 :English】
Even from the heap of refuse, cast into big streets as of no use, there does the lotus bloom, with pure perfume and satisfying the people’s mind.


【偈 :Gatha】
59. やま た、無知むち なる凡夫ぼんぷなか で、仏陀ぶっだ弟子でし は、智恵ちえ をもってひかり かがやく。

【パーリ語 :Pali】
Evaṁ saṅkārabhūtesu / andhabhūte puthujjane Atirocati pañṅāya / sammāsambuddhasāvako.

【英語 :English】
So among this rubbish of beings, the mentally blind worldlings, the diciple of the Buddha shines by wisdom.

【因縁物語 :Story】
※仏陀の教えを信じているスリグッタ(Sirigutta)青年 と、ジャイナ教を信じているガラハディナ(Garahadinna)青年とは友人同士であった。

ガラハディナ青年は、ジャイナ教の裸行者たちから 常々「君の友人も我々のジャイナ教に入信してはどうか?」と言われていた。

そこで、友人のスリグッタ青年にその話を持ちかけた。

「スリグッタよ、君は仏教を信じているが一体どういう利益のあるのかい?それよりもジャイナ教に改宗しろよ」

とガラハディナが誘った。

「じゃあ、君の先生たちは一体何を知っているのかい?」

「すべてさ。過去・現在・未来のすべてさ。そして、他人の考えていることもわかる」

と誇らしげに答えた。

「それじゃ、一度その先生たちを私の家に招待しよう」

と、スリグッタは言った。

その当日、スリグッタは恭しくジャイナ教の裸行者を迎え

「どうぞ、こちらにお座りください」

と案内した。

そして、裸行者たちは指定された座席に着くやいなや、

「ドサッ」

とその席の下にある「落とし穴」に落ちたのである。

その穴は、汚物でいっぱいに満たされていた。

スリグッタは、穴の中でもがいている裸行者たちを眺め、

「先生たちは、たしか過去・現在・未来は おろか他人の考えていることもわかると言っておられたですね」

と言った。

それを見ていたガハディナは怒りだし、以後、この友人と二週間の絶交をした。

ある日、ガハディナは仏陀を自分の家に招待したいと申し出た。

「これはガハディナの復讐にちがいない」

と感じたスリグッタは、仏陀に自分がジャイナ教の裸行者たちにしたことを全部話した。

青年の話を聞きながら仏陀は、この招待を受けることによって 二人の青年は悟りへの第一段階である預流果(sotāpatti phala)を得る機会になるだろうと洞察した。

そして、仏陀は比丘たちといっしょに復讐の罠が仕掛けてあるガラハディナの家にでかけ、 青年が指定する座席に座った。

ガラハディナ青年は、当然仏陀が落とし穴に落ちたと思った瞬間、 突然、車の輪のような大きい白い花(lotus flowers)があらわれ、その花に仏陀が座っていた。

この奇跡を見たガラハディナ青年は、たいへん驚き、すぐに仏陀にあやまった。

そこで仏陀は、智恵がなければ正しい真理の教えを知ることはできないと説かれたのである。


(第58・59偈の因縁物語)





ページの最初に戻る

ダンマパダ_目次(全体_各章)

※このページは【ダンマパダ本文】です(関連ページも含む)。
以下のボタンで、他ページに移動できます。