ダンマパダこころの清流を求めて

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第四章 花の章
PUPPHA VAGGA(FLOWERS)


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第47偈 ウィタトーバ王子

私が王になった時、必ずシャカ族たちの喉の血で・・・

【偈 :Gatha】
47. [奇麗きれい な]はな ばかりをあつ めるように、 よく① においていま てないものよく し、 たもの に執着しゅうちゃく しているひと を、ちょうど洪水こうずいねむ りこ けたむら を[なが す]ように、 おう は、 っ て く。

【パーリ語 :Pali】
Pupphāni heva pacinantaṁ / byāsattamanasaṁ naraṁ
Suttaṁ gāmaṁ mahoghova / maccu ādāya gacchati.

【英語 :English】
The man who gathers flowers (of sensual pleasure), whose mind is distracted, death carries off as a great flood sweeps away a sleeping village.

【因縁物語 :Story】

※大国コーサラ国の王子パセナディ(Pasenadi)は、シャカ 族の姫を自分の妻にしたいと強く望んでいた。

小国のシャカ族は、この結婚話を断ることができず、 姫の代わりに別の一族マハーナーマ王に仕える侍女をシャカ族の姫と偽ってコーサラ国に差し出した。

そして、彼女はすぐに身ごもり、ウィタトーバ(Vitatūbha)王子を生んだ。

ウィタトーバ王子が十六歳の時、母親の故郷のカピラヴァット城を訪問され、 シャカ族一門から丁重なもてなしを受けた。そして、盛大な宴会の日々 を楽しんだ王子は、シャカ族にお礼を言い、帰国の途についた。

その途中、家臣の一人が忘れ物を取りにカピラヴァット城に引き返し、 宴会の間にはいると、「ここに娘の子供が座っていた。ここに娘の子供が すわっていた・・・」と言いながら年老いた奴隷女が、 ウィタトーバ王子が座っていた席をミルクで洗い清めていた。

この衝撃的な報告を家臣から聞くやいなや王子は激怒して「私が王になった時、 必ずシャカ族たちの喉の血で私の座っていたあの席を洗らってやる」 と、かたく心に誓った。

その言葉どおりコーサラ国の王となったウィタトーバは、 シャカ族を攻め、情け容赦のない大虐殺を行ったのである。

但し、マハーナーマ一族の一部の人々は許された。

シャカ族を攻め滅ぼしたウィタトーバ王とその軍隊は、帰路、 アチィラヴァト川(Aciravati)の砂洲で一泊するために野営キャンプを張った。

その夜、川の上流で降った豪雨がアチィラヴァト川に流れ込み、 激流となって眠りこけている王や兵隊たちを襲い、押し流した。

(第47偈の因縁物語)

※①「五欲」とは、色・声・香・味・触に対する愛着。





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