ダンマパダこころの清流を求めて

ホーム>ダンマパダ本文【WEB閲覧】>ダンマパダ1巻>第4章

第四章 花の章
PUPPHA VAGGA(FLOWERS)


ダンマパダ_目次(全体_各章)
※↑は、全体目次(この章から離れます)

章内の目次は、↓の灰色のボタン「目次第〇章」



第56偈 マハーカッサパ長老

貴方々は、貧しい人たちではありませんね。なぜ、このようなことをするのですか?

【偈 :Gatha】
56. このタガラや白檀びゃくだんかお りはわずかなものだが、 しかし、<よいおこな いをするひと① の>かお りは、神々かみがみあいだ にもひろ がっていく。

【パーリ語 :Pali】
Appamatto ayaṁ gandho / yāyaṁ tagaracandanī
Yo ca sīlavataṁ gandho / vāti devesu uttamo.

【英語 :English】
The fragrance of tagara or sandalwood is of little account. The fragrance of the virtuous, which blows even among the gods, is supreme.

【因縁物語 :Story】
※滅尽定(nirodhasamāpatti)という最高の禅定を得たマ ハーカッサパ長老は、ラージャガハ町の貧しい人々が住む所へ「たく鉢」に出かけた。

マハーカッサパ長老は、貧しい人々に、 施しをして得るお金で買うことのできない有り難い 利益をわかち与えたいという気持ちでたく鉢をしていたのである。

ところで、神々の世界の王サッカも、 ぜひこのような利益を得たいと願い、 妻のスジャータ(Sujāta)といっしょに人間界に降りて来たのである。

そして、みすぼらしい服を着て、貧しい人に変装し、 粗末な空き家を見つけると、そこでマハーカッサパ長老の托鉢を待ったのである。

しばらくすると、長老がやって来てこられ、食べ物の施しをお願いされた。

夫婦は、喜んで食べ物を施した。

それはたいへん豪華な食べ物だったので、 長老は不審に思い

「貴方々は、貧しい人たちではありませんね。何故、このようなことをするのですか?」

と二人に尋ねた。

夫婦は

「いいえ、 私たちは貧しいのです。

何故なら、私たちの住む神々の世界では、 だれかに施しをしたいと思っても、その機会はまったくありません。

私たちは、施しをして得るお金で計算できないほどのありがたい利益を得ることが出来ないのです。

だから、私たちは貧しいのです。

しかし、今、それを得ることができました」

と答えると、マハーカッサパ長老に丁重にお礼をしてその場を去ったのである。
(第56偈の因縁物語)

※①:戒律を守り、善い生活習慣をもつ人。





ページの最初に戻る

ダンマパダ_目次(全体_各章)

※このページは【ダンマパダ本文】です(関連ページも含む)。
以下のボタンで、他ページに移動できます。