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第五 愚者の章
BALA VAGGA(FOOL)


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第61偈 マハーカッサパ長老の弟子

一人は師匠であるマハーカッサパをたいへん尊敬し、教えをよく学び、深い信仰心をもっていた。 しかし、もう一人はそうではなかった・・・

【偈 :Gatha】
61. ひとり修行しゅぎょうたびて、 自分じぶんよりまさり、 または、 自分じぶんひとしい ひとうことなければ、むしろ 断固だんことして 自分じぶんひとりで 修行しゅぎょうをすべきである。 おろかなる ひとを、 修行しゅぎょうともとするなかれ。

【パーリ語 :Pali】
Carañce nādhigaccheyya / seyyaṁ sadisamattano
Ekacariyaṁ daḷhaṁ kariyā / natthi bāle sahāyatā.

【英語 :English】
If a person seeking a companion cannot find one who is better than or equal to him, let him resolutely go on alone; There can be no companionship with a fool.

※マハーカッサパ長老(Mahākassapa)に二人の若い弟子がいた。

一人は師匠であるマハーカッサパをたいへん尊敬し、教えをよく学び、深い信仰心をもっていた。

しかし、もう一人はそうではなかった。

信仰深い弟子が師匠のために洗面の準備をすると、これを見ていた信仰心のない弟子が、 急いでマハーカッサパ長老の所へ行き

「師匠、洗面の準備ができました」

と言った。

ある日、信仰心のない弟子は食事の後、昼寝をした。

その間、信仰心のある弟子は、師匠の沐浴の準備のためにお湯を沸かし、 湯気だけを残してお湯を別の部屋に移した。

昼寝から目を覚ました信仰心のない比丘は、その湯気を見て

「師匠、沐浴の準備ができました」

と伝えた。

早速マハーカッサパ長老がやって来ると、そこには水やお湯などはなく、 湯気がたっているだけだった。

それからしばらくして、信仰心のない弟子は、師匠の信者の家をたずね、 師匠が病気のため代わりに来たと嘘をついた。

そして、家の人々からいろいろな見舞いの食べ物を施してもらい、帰り道、それを食べた。

後でこれを知った師匠は弟子を叱ったが、逆に、この弟子はたいへん腹を立てた。

翌日、師匠がたく鉢に出かけている間に、彼は師匠の壺やお皿などを壊し、お寺に火をかけて遁走した。

そして、死後、地獄に落ちたのである。

この話を聞いた仏陀は

「このような馬鹿な弟子といっしょに修行するよりも、 一人で修行している方がはるかによい」

と説かれたのである。
(第61偈の因縁物語)




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