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清浄道論 Visuddhimagga 1-3
戒の解釈 8/14
(Sīla-niddessa)



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清浄道論 Visuddhimagga 1-3
戒の解釈 8/14


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『戒の解釈』(八)
(Sīla-niddessa)

【四種類の律儀 その(4) [出家生活の]必需品(=資具)依止戒】(Paccayasannissita-sīlaṁ)
その中で、「[比丘生活の]必需品(=資具)の受用と称せられる」(paccaya-paṭisevana-saṅkhātenā)とは、

[①暑さ・寒さ・虻・蚊・風・太陽の熱・蛇などの害を防ぎ[身体の]陰部を隠すために法衣を受用する、
②身体の存続・ 維持のために、餓えや病を静めるため、仏典を学び・教え、修行するために信者からの施食を受用する、
③寒さ・ 暑さを防ぐため、虻・蚊・風・太陽の熱・蛇などの害を防ぐため、季節の危害を除くため、坐禅を楽しむための限りに おいて[起きて半畳寝て一畳の]臥坐所(=住む所)を受用する、
④既にかかっている病の苦痛・悩害を取り除くために、 病人の必需品である薬を受用するという比丘生活の]必需品の受用というその如くに称する、あるいは必需品の受用なると 称せられるである。(※ 註:本文には無いが便宜上、前に述べられているところを再び掲載する。)

次に、この直後に、「必需品(=資具)の依止戒」(paccaya-sannissitasīla)が説かれている。その中で、 「道理に従がってよく調べて観察して」(paṭisaṅkhā yoniso)とは、[受用の]方法の道理によりて、よく調べて知り、 観察することであるという意味である。

【資具依止戒 ①法衣】 又ここに、寒さを防ぐためなどとの表現によりて説かれている観察が、実に「道理に従がってよく調べて観察して」と 理解すべきである。

ここの「法衣」(cīvara)とは、内衣[・外衣]などのいずれかのものである。

「受用する」(Paṭisevatī) とは、用いることである。あるいは内衣を着衣すること、あるいは着ることである。

「限りにおいて」(Yāved evā)とは、 [受用の]目的の限界と限定を決定させる語である。実に[止の修習・観の修習の]瞑想修行者の法衣を受用する目的は、 寒さを防ぐなどのこれだけであり、それ以外の[目的は]ない。

「寒さ」とは、[身体の不調による咳などの]内の界 (ajjhattadhātu)の動揺によりて、あるいは外の気候の変化によりて発生する誰にでも[感じる]寒さである。

取り除くため(Paṭighātāyā)とは、[それを]防ぐためである。例えば、身体に病気が起こらない、その如くにそれを追い 出すためである。実に、身体が寒さに悩まされて、心が散乱して、正しい法に適合する[止の修習・観の修習に]集中する ことが出来ない。それ故に、寒さを防ぐために法衣を受用すべきであると世尊(=仏陀)は[これを]許されたのである。 これが、[以下の]一切処においての[基本的な]考えである。

実に、ここに、「暑い」(uṇha)とは、火の熱のことである。それは、森林を焼くなどの場合に発生すると理解すべき である。

「虻・蚊・風・熱と灼熱・爬虫類とに触れる」(Ḍaṁsa-makasa-vātātapa-sarīsapa-samphassnan)とは、 ここでは又、「虻」(ḍaṁsā)は、咬む蝿のことであり、暗愚の蝿とも言う。「蚊」 (makasa)は、蚊[そのもの]である。 「風」(vāta)は、塵のある・塵の無いなどの種類である。「熱」(tapa)は、太陽の熱のことである。「爬虫類」 (sarīsapa)は、蛇などの如く、細長くて流れて行くあらゆる生き物である。それ故、牙による接触と、触れた感触の 二種類の触れるがある。

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