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第二 不放逸の章
APPAMĀDA VAGGA(HEEDFULNESS)
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第29偈 二人の比丘
形だけ不放逸でも、中身が放逸であるならば・・・
【偈: Gāthā】
29. 足
の早
い馬
が(足
の)遅
い馬
を後
に走
り去
る
ように、放逸
の人々
の中
に ひとりよく精進
し、
うち眠
る人々
の中
に、ひとり覚
めた賢
き人
は、
愚
かな人
をすてて、走
り行
く。
形だけ不放逸でも、中身が放逸であるならば・・・
【パーリ語: Pali】
Appamatto pamattesu / suttesu bahujāgaro
Abalassaṁva sighasso / hitvā yāti sumedhaso.
【英語: English】
Heedful among the heedless, wide awake among the slumbering, the wise man advances as does a swift horse, leaving a weak horse behind.
【因縁物語: Story】
※仏陀から瞑想の重要性を教わった二人の比丘が、森
の中で瞑想していた。
一人の比丘は、早朝から、最初ゆっくり歩きながらの瞑想を、
次に静止しながらの瞑想を、夜は夜で、横になりながら瞑想に
集中していた。
その結果、
この比丘は短い時間で悟りを得たのである。
もう一人の比丘は、朝起きるとたき火をおこして暖をとったり、
時々若い新入りの沙弥たちと雑談したりして瞑想の修行をしていた。
やがて雨季も終わり、二人の比丘は久しぶりに仏陀を表敬訪問した。
そこで仏陀は、悟りを得た比丘を、
「しっかり修行して、よく悟りを得た」
とほめた。
その時、もう一人の比丘が
「尊者よ、どうして彼が一生懸命
修業していたのかわかるのですか?私の知る限り、彼は毎日横になっているか、又は、寝ているかでした」
と言った。
「それではお前は、どうなのかね?」
と仏陀がたずねると
「私は、朝起きると火をおこし、暖まりながら瞑想をしていました。寝て時間を無駄にしていませんでした」
と答えた。
そこで仏陀は、この比丘に、
「お前は不放逸と放逸の意味を誤解しているよ。形だけ不放逸でも、中身が放逸では修行にはならない」
と、駿馬と駄馬の例をとりながら、さとされたのである。
(第29偈の因縁物語)
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