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清浄道論 Visuddhimagga 1-2
戒の解釈 1/14
(Sīla-niddessa)


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清浄道論 Visuddhimagga 1-2
戒の解釈 1/14


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[七つの業道とは、
①殺生から離れる身業(virati- pāṇātipātā)、
②盗みから離れる身業(virati- adinnādānā)、
③邪まな性交から離れる身業(virati-kāmesu)、
④嘘をつくことから離れる口業(=妄語,virati-musāvādā)、
⑤悪口から離れる口業(virati-pharusavācā)、
⑥両舌から離れる口業(virati-pisuṇavācā)、
⑦真実に背いて言葉巧みに飾ること(=綺語)から離れる口業(virati-samphappalāpa)
のことである(註)]。

(※ 註:Dhp-U.p58,註①参考)

「心所が戒めである(Cetasikaṁ sīlaṁ)」とは、
実に「貪欲を捨てて、貪欲から離 れ去った心(=思)に住む」と意味する ところの表現によりて説かれている
無貪欲(anabhijjhā)・
無瞋恚(abyāpāda)・
正見(sammādiṭṭhi)
の法である。

[例えば、殺生は悪趣地に堕ちる業とな るが、殺意がなければ業道とはならない 。

殺生が業道になるためには、

①対象が有情であること、
②その対象が有情と知ること、
③対象に対して殺意があること、
④対象に対して身・語による行為があること、
⑤それによって相手が死ぬという
条件がある(註)]。

(※ 註:Dhp-U.p132、註①参考)

「[不善の身・口・意による悪行から守 る]律儀が戒めである(Saṁvaro sīlan) 」とは、
ここでは五種類の[律儀の説明] によりてその律儀の[意味]を理解すべき である。 [即ち]、
①戒(=別解脱)律儀(pāṭimokkhasaṁvara)・
②念律儀(sati saṁvara)・
③智律儀(ñāña saṁvara)・
④忍律儀(khantī saṁvara)・
⑤精進律儀(vīriya saṁvara)
のことである。

《五種類の律儀 ①戒(=別解脱)律儀》

その中で、[パーリ七論の一つである『分別論』にある]、この[出家教団に無くて はならない生活上の規定である]戒めを 守る律儀を具足して[完全に]具備してい る者となる」と、これは、
戒律儀(=別解脱律儀, pāṭimokkha - saṁvara)
である。

《五種類の律儀 ②念律儀》

[比丘は、自分の]眼の能力(=根)を守り 、眼の能力に対する防護(=律儀)に達す ると、これは、
念律儀(sati saṁvara)
である。

[世尊(=仏陀)は、アジタに答えられた]。

-「世間にはいろいろな[煩悩の]流れが ある。

[この]流れを防ぐものは、
[自己の内外の現象は無常・苦・無我・不浄であるという事実を]
忘れないこと(=念)である。

それらの[煩悩の]流れから[わが身を]守 ることを[私は]説くのである。

《五種類の律儀 ③智律儀》

智慧によってこれら[不善の身・語の習慣力の悪い戒め]は閉じ込められるべきで あると、これは、
智律儀(ñāña saṁvara)
である。

[比丘の出家生活を助ける信者からの施しの法衣・食べ物・住居・薬などの]必需品 の[正しい]受用も、実にこの中に適用されるに至る。

《五種類の律儀 ④忍律儀》

次に、「これは、寒さ・暑さ[・虫・毒蛇] などに耐え忍ぶ」などとの表現によりて 説かれている、これは、
忍律儀(khantīsaṁvara)
と言う。

《五種類の律儀 ⑤精進律儀》

又、「これは、 [悪い]欲の考え(kāmavitakka)に対して耐え忍べない」などとの表現に よりて説かれているものは、これは、
精進律儀(vīriya saṁvara)
と言われる。

[正しい身業・語業の戒めによりて、自ら 制御すべき出家]生活を遍く浄めるも、 実にこの中に適用されるに至る。

このように、この[
戒清浄・
念清浄・
智清浄・
忍清浄・
精進清浄
の]五種類の律儀なるもの、
及び悪いことを恐れる善男子 たちが達すべき[悪い]考えから離れる、これらの一切は、
律儀の戒め
であると理解すべきである。

「違犯がないが戒めである」(Avītikkamosīlan)
とは、戒めを受けて心に入れ、忘れずに覚えておく者が、[自分の]身体と言葉 によりて[その戒めを]破らないことである。

先ず、これが、「何が戒めである?」という質問に対する解答である。

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