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清浄道論 Visuddhimagga 1-2
戒の解釈 1/14
(Sīla-niddessa)
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清浄道論 Visuddhimagga 1-2
戒の解釈 1/14
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『戒めに関する七つの質問。
その[2]. 何の意味によりて[それを]戒めとするのか?』(Ken’ aṭṭhena sīlan)
他の[質問]において、「何の意味によりて[それを]戒めとするのか?(Ken’ aṭṭhena sīlan)」
とは、[戒律を守って修行に励む]戒行(sīlana)の意味によりて戒めとする。
何がこの戒行となるのか?
善い戒めを守り、[心の]散乱のない[状態]の意味である。
あるいは[戒めを]固く守ることである。
あるいは諸々の善法を[しっかり]安定させて保持する状態の意味である。
実に、ここにある二つの意味は、
言語の[語源の]特徴をよく理解する者には[容易に]認めるところである。
しかしながら、[教団の規則を教える]他の[阿闍梨たち]は
「先頭[に立って進むという]意味が戒めの意味となる」
「清浄の意味が戒めの意味となる」
と、実にその如きなどの表現によりてもここに意味を解釈している。
『戒めに関する七つの質問。
その[3]. 何がその特相・作用・現われ起きる・直接の原因となるのか?』
(Kān’ assa lakkhaṇa rasa-paccupaṭṭhāna-padaṭṭhanān)
とは、その中で、
-[①特相][戒めが]数多く区分されると雖も、
その特徴は[戒律を守って修行に励む]戒行(Sīlana)である。
例えば、いろいろ区分されると雖も、
色(イロ、rūpa)の[特徴は]見えるからである。
例えば、実に[色が]青色・黄色などの
別によりて多く区分されていると雖も、
[眼の対象となる]色処(rūpāyatana)にとっては、
青色などの区分によりて細かくされたと雖も、
見える状態を超えることがないが故に、
[眼の視野に現われ起きて]見えることが特徴である。
同様に、戒め(sīla)にとっては、
思(=心,cetana)などの別によりて[89心に]多く区分されていると雖も、
精神統一(=禅定)によりて諸々の善法を足場にして
[身体による正しい行為の]身業などについて説かれたこの[戒律を守り修行に励む]戒行こそ、
実にそれが[戒めの]特徴であり、
[対象に心・心所を発動させる89心の]思(=心,cetana)などの
別によりて多く区分されていると雖も、
[輪廻からの解脱を目指す上で、
特に止の修習の段階において正しい]禅定の足場の状態を越えるということはない。
[②作用]
次に、その如きの特徴がある[戒行]にとっては、
同様に、[不善の身・語による]悪い戒めを
[善の身・語による善い戒めによって]破壊する、
又、[戒めに]違犯の無い[正しい]徳とは、
働き(kicca)と成就(sampatti)の意味によりて実に作用(rasa)であると説かれている。
それ故に、この「戒め」(sīla)は、
実に「働きの意味である作用」によりて、
悪い戒めの破壊を作用とし、
「成就の意味である作用」によりて[戒めに]違犯の無いことを作用とすると理解すべきである。
実に[戒めの]特徴などの場合は、
実に成就と働き[の意味して]説かれたのである。
[③現われ起きる ④直接原因]
この[正しい身業・口業・意業の]三つの[善い]行為によりて清浄が現われ起きる。
[即ち、
自己の悪行に対して世間や他人に恥じ恐れる]愧(ギ、ottappa)と、
[自分が為した身・口・意の悪行に対して内心に恥がある]慚(ザン、hirīka)とは、
それこそ[戒めの清浄の]直接原因となる」と
智慧の有する人たちによって説明・解釈されたのである。
(※ 愧・慚:Dhp-U.p499、「共一切不善心所」参考。)
この戒めは、「正しい身業による清浄・語業による清浄・意業による清浄」と、
その如くに説かれた清浄が現われ起きる、
清浄の状態で現われ起きる、
しっかり受け保つ状態に至るである。
次に、[自分が為した身・口・意の悪行に対して内心に恥がある]慚(ザン、hirīka)と
自己の悪行に対して世間や他人に恥じ恐れる]愧(キ、ottappa)とは、
[これこそ清浄の]直接原因となる」と説明・解釈するのである。
[直接原因とは]近い原因という意味である。
実に慚・愧(ザン・キ、hirīka - ottappa)がある時、
戒めは生起して,且つ、存続する。
[慚・愧が]無い時、[戒めは]生起しない、且つ、存続もしないと。
その如く、戒めの特徴・働き(=作用)
・現われ起きる・直接原因について理解すべきである。
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