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清浄道論 Visuddhimagga 1-2
戒の解釈 2/14
(Sīla-niddessa)
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清浄道論 Visuddhimagga 1-2
戒の解釈 2/14
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①制限遍浄戒(pariyantapārisuddhisīla)・
②無制限遍浄戒(apariyanta-pārisuddhisīla)・
③円満遍浄戒(paripuṇṇa-pārisuddhisīla)・
④無執取遍浄戒(aparāmaṭṭhapārisuddhisīla)・
⑤安息遍浄戒(paṭippassaddhipārisuddhisīla)である」と。
同様に、
①捨断(pahāna)・
②離(veramaṇī)・
③思(cetanā)・
④律儀(saṁvara)・
⑤不犯(avītikkama)
によりても[五種類となる]。
その中で、[戒めの]一つの種類の部分における意味は、実に既に説かれたところによりて理解すべきである。
【二種類の戒め、①作持戒・②止持戒】
二つの種類の部において、世尊(=仏陀)によりて「これは、従がい守るべし」と制定された戒条(=学処)を実践することは、
これは[善い行ないに従がって守るべし戒めの]作持[戒](cāritta-sīla)である。
「これは為すべからず」と[仏陀によりて]禁止されたことを実践しないことは、
これは[悪い行ないを禁じる戒めの]止持[戒](vāritta-sīla)である。
それ故、この言葉の意味は[次の如くである]。
― 戒めにおいて、完成を為す働きが作持[戒]である。
[戒めにおいて]禁止されていることを守ることが止持[戒]である。
その中で、信仰の精進によって完全に為すものが、[
善い行ないに従がって守るべき]作持[戒]である。
信仰によって完全に果たされるものが、[悪い行ないを禁じる]止持[戒]である。
その如く作持[戒] (cāritta-sīla)・止持[戒] (vāritta-sīla)によりて二種類となる。
【第二の二法、①勝れた正行戒・②初めの梵行戒】
第二の二つの法において、「勝れた正行」(abhisamācāro)とは、
[人を悟りに導く正しい行ないの中の]最高の正しい行ないのことである。
勝れた正しい行(abhisamācāro)とは、実に[人を悟りに導く]勝れた正行のことである。
あるいは勝れた正行に関して制定されたものが「勝れた正行」[戒]( ābhisamācārika- sīla)である。
これは、
[①身業による殺生から離れる生活、
②身業による盗みから離れる生活、
③身業による邪淫から離れる生活、
④口業による嘘をつくことから離れる生活、
⑤口業による悪口から離れる生活、
⑥口業による両舌から離れる生活、
⑦口業による真実に背いて巧みに飾った言葉(=綺語)から離れる生活、
⑧清浄なる生活の]生活(=活命)の[合計]第八の[業道]を除いた残りの[細かい]戒めの同義語である。
[自ら輪廻解脱のために戒律を守って禁欲の生活を送りながら
仏法を学習実践する聖なる八つの]道なる梵行の初めの段階にあるということで
「初めの梵行」(ādibrahmacariyaka- sīla)である。
これは、生活(=活命)の第八戒の同義語である。実にそれは、
[修行の]前の段階において[遍く]浄化させるべきものであるが故に、道の初めの状態にほかならない。
それ故に、[世尊(=仏陀)]曰く、「そして、実に前の段階において彼の身による行為(=身業)・
語[による行為(=語業)]・生活は、善く清められている」と。
あるいは、細かく、更に小さな戒条(=学処)について説かれたのである。
これは、勝れた正行戒(ābhisamācārika- sīla)である。
残りは、初めの梵行[戒]である。あるいは[比丘・比丘尼の]両方の解釈の『分別論』(Vibhaga)に含まれている
[戒め]は、初めの梵行である。
[律蔵の]犍度部義務(Khandhaka-vatta)に含まれているのは、
勝れた正行戒(ābhisamācārika- sīla)である。その[勝れた正行戒の]完成によりて
初めの梵行戒は成就させるのである。
それ故に、実に[仏陀は次の如く]曰く。
ー「比丘たちよ、実にこの比丘は、…・・
[人を悟りに導く正しい修行の中の最高の正しい行ない]勝れた正行法を
完成させずして初めの梵行法を完成させるということは、
これは、認めることが出来ない道理である」と。
その如くに、勝れた正行[戒](ābhisamācārika- sīla)と初めの梵行
[戒]( ādibrahmacariyaka- sīla)とによりて二種類となる。
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