ホーム>清浄道論>清浄道論1-3 第1品 戒の解釈 5/14
清浄道論 Visuddhimagga 1-3
戒の解釈 5/14
(Sīla-niddessa)
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清浄道論 Visuddhimagga 1-3
戒の解釈 5/14
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次に、唯作無因の意識界(kiriyāhetuka-mano- viññāṇa-dhātu)が
確定作用(voṭṭabbanakicca)を成立させながら生じては滅する。
その直後に速行が作用する。
[即ち、推度心で考察された所縁を無因唯作心によって好き・嫌いの
どちらかにはっきり確定する作用である。
それ以前の諸作用は、未だ不確定な認識である。
意門引転心である欲界無因・捨倶唯作心意識界(72)が五門における確定作用を行なう。
速行作用は一切の心作用の中で最も重要且つ中心的な作用である。
これ以前の心作用は速行のための準備段階である。
速行は確定された所縁の取捨選択・善悪の認識・意思作用をつかさどる。
五門作用の速行心として欲界の八つの善心・十二の不善心・九つの無記がある。
これらの生じる速行心は縁によって三種類に分かれる。
三種類とは、
①如理意作・
②非如理意作・
③阿羅漢聖者
の場合には九つの唯作心の随一なものである。
如理意作という縁がある時、
速行は欲界八つの善心(1)~(8)のいずれかが速行心として生じる。
非如理意作の縁がある時、欲界十二の不善心(22)~(33)の中の
随一なものが速行心として生起する。
又、如理意作の縁によって阿羅漢聖者には
九つの唯作心:
欲界無因・
喜倶唯作意識界・
笑起心(71)・
欲界有因八つの唯作心(73)~(80)
の中の随一なるものが、
即ち、好きな所縁に対して喜倶の笑起心や喜倶の唯作心が、
中ほどに好きと好きではない所縁に対して捨倶の唯作心が速行心として生起するのである。
(※ 『清浄道論』第十四品『蘊の解釈』参考)
《参考》※ Dhp-U.p517p524、「第二節 89心と五門作用」参考。
{極大所縁による眼門路}:
有分➔ 過去有分①➔ 有分動揺②➔ 有分捨断③➔
五門引転④➔ 五識⑤➔ 領受⑥➔ 推度⑦➔ 確定⑧➔
速行⑨⑩⑪⑫⑬⑭⑮➔ 彼所縁⑯⑰➔ 有分➔。
この場合も、[潜在意識の]有分の時にも[悪行を防止する律儀、
あるいは防止のない不律儀は存在しない]。
[所縁が現われて潜在意識の有分心の流れを止めて表面的な意識の五識を生起させる]
引転[作用から確定作用]などの何れかの[作用の]時にも、
[悪行に対する守りの]律儀[はない]、又[悪行に対する守りがない]不律儀はない。
しかしながら、速行[作用の]刹那において、
もし、[そこに不善の身・語の習慣力の]悪い戒め(dussīlya)
、又は[四念住を]忘れる(muṭṭhasacca)、
あるいは[縁起の道理・四聖諦八正道などに対する]無智(aññāṇaṁ)、
あるいは[誹謗や迫害に]耐え忍ぶことがない(akkhanti)、
あるいは[止の修習・観の修習を]怠けること(kosajja)
が起きたならば、
[身・口・意による悪行に対する守りがない]不律儀(asaṁvara)がある。
又、その如くの[守りが]ないならば、
彼は眼の能力(=眼根)において守りがない不律儀であると言われる。
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