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清浄道論 Visuddhimagga 1-3
戒の解釈 5/14
(Sīla-niddessa)
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清浄道論 Visuddhimagga 1-3
戒の解釈 5/14
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何故に? もし、その[不律儀]があるならば、
[眼の]門も守られず、[潜在意識の]有分も引転[作用]などの認識過程
(=路心, vīthicitta)も[守られない]。
例えば、どのように?
例えば、都市の四つの門が守られていないならば、
例え、市内の家々の門が、倉庫が、家の内の部屋などがしっかり戸締りしていても、
実に市内の一切の金庫は守られず保護されていない[状態と]なる。
実に盗賊たちは、都市の門から入って来て、好きなだけの物金を盗んでしまう。
その如く、実に速行[作用]において悪い戒めなどが起こり、
その速行(javana)]が、[身・口・意による悪行に対する守りがない]不律儀である時は、
[色(rūpa)という所縁が入って来る眼の]門も守られず、
引転[作用から確定作用]などの[認識過程の]路心も[守られていない]。
しかしながら、その[速行]において戒めなどが起こる時は、
[眼の]門も守られる、[潜在意識の]有分も引転などの[認識作用の]路心も[守られる]。
例えば、どのように? 例えば、都市の[四つの]門がよく守られているならば、
例え、市内の家々の門が、倉庫が、家の内の部屋などがしっかり戸締りされていなくても、
市内の一切の金庫は、実によく守られ保護されている[状態と]なる。
実に都市の門がしっかり閉じられている時は、盗賊が入って来ることはない。
その如くに、実に[中心的な認識作用の]速行において[善き]戒めなどが起こり、
[色という所縁が入る眼の]門も守られて、
引転[作用から確定作用]などの[認識過程の]路心も[守られるのである]。
それ故に、速行の瞬間に起こると雖も、[眼の]門における律儀と言われる。
耳で声を聞くなどにおいても、又、同じである。
その如く[説かれている]この点について簡略に[説明すれば]、
「色(rūpa)など[声・香・味・触・法の六境]において、
煩悩に縛られている相などに執着することを遍く避けるという特徴が、
能力(=根)律儀戒(indriya-saṁvarasīla)であると理解すべきである。
【四種類の律儀 その(3) [出家]生活上(=活命)の浄戒】(Ājīvapārisuddhisīlaṁ)
今や、能力(=根)律儀戒の直後に説かれた生活上(=活命)の
律儀遍浄戒(ājīvapārisuddhisīla)について、
― 生活の根拠によりて制定された六つの戒条(=学処)とは、
《六つの戒条(=学処) ①波羅夷第四・大妄語戒》
悪い欲望があり、
貪欲に堕ちている[比丘]が、
生活上の根拠を[縁]にして、
生活活動を[縁]にして、
心の静まった状態に非ずして、
[神変智・
天耳智・
他心智・
宿住智・
天眼智・
漏尽智
(註)の六つの神通などの区別ある徳によって荘厳された]
常人を超えた法(=上人法,uttarimanussadhamma)を説くのは、
波羅夷(ハライ、pārājika)の[第四番目の]罪である。
[即ち、波羅夷は極めて重大な罪であり、これを犯せばサンガから破門される。
淫乱・盗み・殺人・大妄語の四つがあり、
この場合は四番目の「知らない真理を私は知っている・
観ていない真理を私は観ていると言う」大妄語である]。
(※ 註:Dhp-U.p94、註①「神通」参考、『清浄道論』第十二品『神変の解釈』)
《六つの戒条(=学処) ②僧残第五・仲介戒》
[悪い欲望があり、貪欲に堕ちている比丘が]、
生活上の根拠を[縁]にして、生活活動を[縁]にして、
男女の仲立ちを行なうのは、僧残(ソウザン、saṅghādisesa)
の[第五番目の]罪である。
[即ち、僧残には十三の戒条があり、
前の波羅夷に次ぐ重い罪である。
これを犯せば、一定期間の権利を奪われ別住させられる。
男性の気持ちを女性に伝える・女性の気持ちを男性に伝えて、
結婚あるいは密通の仲介をすることである]。
《六つの戒条(=学処) ③粗罪》
[悪い欲望があり、貪欲に堕ちている比丘が]、
生活上の根拠を[縁]にして、生活活動を[縁]にして、
「汝の精舎に住むあの比丘は阿羅漢である」
と公言する者の粗い罪(thullaccaya)である。
[この粗い罪とは、波羅夷・僧残の未遂、
あるいはそれ以外の罪に該当しない多少重い罪をいう]。
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