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清浄道論 Visuddhimagga 1-3
戒の解釈 6/14
(Sīla-niddessa)
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清浄道論 Visuddhimagga 1-3
戒の解釈 6/14
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次に、悪い欲望がある比丘にして[自らを]悟りを得ている聖者(=上人法)と
明らかに公言することによりて[信者を]欺く。
これは「謎かけ」
(sāmantajappana)と称せられる「故意に人を騙す基本的なこと」
であると理解すべきである。
曰く、- 「謎かけ」と称せられる「故意に人を騙す基本的なこと」とは、
一体どのようなものか?
ここに、悪い欲望があり、貪欲に堕ちて、
[煩悩を追い求めている]一人の比丘が、[信者から]尊敬されたいと望み、
[もし]このようにすれば、人々は私を尊敬するだろうと、
[仏陀の]聖なる教え(=法)の[一部分を]間に合わせて話すのである。
[仏陀の聖なる教え(=法)の一部を間に合わせて]、
かくの如きの法衣を着ている沙門、
彼は偉大な力を有する[聖]者であると語る。
かくの如きの[比丘生活における必需品の托鉢用の]鉢・
銅製の椀・
水の瓶・
水こし器・
鍵・
腰帯・
履物を保持する沙門、彼は偉大な力を有する[聖]者であると語る。
[仏陀の聖なる教え(=法)の一部を間に合わせて]、
かくの如きの和尚、
[出家などの儀式の方法を教える]阿闍梨(ācariya)、
和尚と同じくする比丘、
阿闍梨と同じくする比丘、友人、親友、同僚、仲間[がいる沙門、
彼は偉大な力を有する聖者であると語り]、
[仏陀の聖なる教え(=法)の一部を間に合わせて]、
かくの如きの精舎、
住む所、
片屋根の家、
・殿堂、
長い階層の建物、
洞窟、
山の穴・
小屋・
二階建ての家、
見張り塔、
天幕、宝庫・
集合所・
仮の建物、
樹の下に住む沙門、
彼は偉大な力を有する[聖]者であると語る。
時に又、[貪欲など]悪い影響を繰り返し受けて、
渋い顔や「しかめつら」をして、
嘘を言うことを繰り返し、
口数多く[次のように]しゃべる。-、
「この沙門は、[長い間]心の静まった状態に住む禅定を得ている者である」と、
[自分の]口から[他の比丘を例にした話を]持ってくる。
[そして]この如く
甚だ奥深く、
理解し難く、
微妙で、
[秘密のベールに]覆われ、
世間を超えた[悟りの世界について]、
空なる無我性の状態(=空性)に関することについて
論じて語るのである。
[自分を偉く見せようと]その如くに渋い顔・
しかめ面をする、騙す・
偽る・
嘘をつく。
これを、
「謎かけ」と称せられる「故意に人を騙す基本的なこと」
であると言われる。
次に、実に悪い欲望があり、
[信者から]尊敬されたいと望み、
[厳しい修行者の如くに歩く・住む・坐る・臥せるの演技をする]振る舞い(=威儀,iriyāpatha)
によりて[信者を]欺くことは、
身体の振る舞いに依りて「故意に人を騙す基本的な事」と理解すべきである。
曰く、
身体の振る舞いに依りて故意に人を騙す基本的な事とは、
一体どのようなものか?
ここに、悪い欲望があり、
貪欲に堕ちて[煩悩を追い求めている]一人の比丘が、
[信者から]尊敬されたいと望み、
このようにすれば人々は私を尊敬するだろうと
[思い付き、悪知恵を使って次の計画を立てる]、
[彼は、聖者の如くに]演技しながら歩き、
演技しながら臥し、
[立派な聖者に見られることを]願い求めながら歩き・
願い求めながら立ち・
願い求めながら坐り・
願い求めながら臥せる。
禅定に入定している比丘の如くに歩き、
深い禅定に入定している比丘の如くに立ち・
坐り・
臥せる。
あるいは他の[信者に]見せるために坐禅をする。
その如くに、
[信者から偉い比丘であると見て欲しいために演技による]振る舞い(=威儀,iriyāpatha)
に心を一つに集中させながら、
渋い顔・
しかめ面をして、
偽る、
嘘を言って騙す、
故意に事実を偽って他人を陥れる。
これが、身体の振る舞い
(=威儀,iriyāpatha)による「故意に人を騙す基本である」と言われる。
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