ホーム>清浄道論>清浄道論1-3 第1品 戒の解釈 10/14
清浄道論 Visuddhimagga 1-3
戒の解釈 10/14
(Sīla-niddessa) 
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清浄道論 Visuddhimagga 1-3
戒の解釈 10/14
        
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「薬」(Bhesajja)については、[示相などの]一切が適当である。しかしながら、その如くに得られた薬を、病が静まった後に受用することは、
「正しいのか?正しくないのか?」と[たずねられた時]、その点について、[戒律に通じた]持律者たち(Vinayadharā)は、―「世尊(=仏陀)
の口より与えられた[許された]ものである。それ故に、正しい」と主張する。しかしながら、[経典を説くのに巧みな]経師たち(Suttantikā)
は、「例え、罪にならないと言えども、[出家]生活を乱すものである。それ故に、正しくない」と主張する。
又、世尊(=仏陀)によりて許されたと雖も、示相・暗示・遠回しの話を[信者に]表わし示すことを為さず、小欲[をもって足るを知る]などの
徳によりて、[自分の]命の滅尽が目の前に現われると雖も、実に示相など何れか一つによりて得られた必需品のみを受用する人、これは、
「最高の厳しい禁欲生活者」(paramasallekha)と言われる。
例えば、サーリプッタ長老の如くである。伝えて曰く、- ある時、かの尊者[サーリプッタ長老]は、[無明・渇愛から]遠く離れている[境地]
を拡大させながら、マハーモッガラーナ長老と一緒に人里から離れたある場所に滞在していた。
時に、ある日、[サーリプッタ長老]は腹痛が起こり激しい苦しみが生じた。マハーモッガラーナ長老は、夕刻、かの尊者[サーリプッタ長老]
をたずねて、長老が横に臥せっている[姿]を見て、その事の次第を問われた。「友よ、汝は以前はどのようにして回復したのか」とたずねた。
 [サーリプッタ]長老曰く、「友よ、私が在家の者であった時には、母親が、ギー・蜂蜜・砂糖などを調合して、純粋なる乳粥を[作って]
 与えてくれた。それによりて私は回復したのである」と。
かの尊者[サーリプッタ長老]は、「友よ、[その如くに]あれ。もし、私に、あるいは汝に福徳があれば、おそらく明日[それが]得られるで
あろう」と言った。そして、この[二人の長老]の会話を、[歩く瞑想をする場所の]経行処(caṅkamanakoṭiya)の[近くの]樹に住む神が
聞いた。[彼は]「明日、私は聖なる方に粥を得るであろう」と[思い立ち]、先ずは、[サーリプッタ]長老を信じて施しをしてくれる家に
出掛けて、[その家の]長男の身体に入り苦痛を生じさせた。
時に、[長男を心配して]集まった親戚たちに[長男の身体に入っている神が、その]治療方法を説明した。-「もし、明日、お前たちが[
サーリプッタ]長老に、実に[ギー・蜂蜜・砂糖などを調合した]その如きの粥を用意すれば、[私は]この[長男の身体から]離れるであろう」
と。 
[サーリプッタ長老を篤く信じている在家信者の]彼らは、「お前さんに言われなくても、私たちは長老様に常に食べ物を施している」
と言って、翌日、その如きの粥を用意するのであった。
早朝、マハーモッガラーナ[長老]は、[サーリプッタ長老の所に]やって来て、「友よ、私が托鉢している間、ここに居るように」と言って
村に出掛けた。 [サーリプッタ長老を信じて常に施しをする]この人々は、[托鉢にやって来たマハーモッガラーナ長老を]出迎えて、長老の
[托鉢用の]鉢を取り、既に準備していた乳粥を[鉢]一杯に施したのである。
[施しを受けた]長老が[そのまま]帰りかける様子を見せた。
彼らは、「尊師よ、あなたは、[どうぞ、ここで]食べてください。私たちは更に施しましょう」と長老に食べることをすすめた。[その後]
再び[乳粥を]鉢一杯に充たして施すのであった。
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