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清浄道論 Visuddhimagga 1-1
因縁などについての論
(Nidānādi-kathā)



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清浄道論 Visuddhimagga 1-1
因縁などについての論 2/2


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【『清浄への道』に関する九つの説明 ③三明などの強い要因】

その中で、戒めによりて[宿住智・天眼智・漏尽智の]三明(tevijja)の強い要因が説明されている。
戒めを[守ることの]成就に依りて実に三つの智慧(=明, vijjā)に達し、それより他に[依るに]非ず。

[即ち、三つの智慧とは、
①自己及び他人の過去世を知ることができる宿住智(pubbenivāsa-ñāṇa)、
②天人の眼のように肉眼では見えない遠い所や微小なものが見ることができる天眼智(dibbacakkhu- ñāṇa)、
③一切の煩悩を滅し尽くすことができる漏尽智(āsavakkhaya- ñāṇa)である。

[色界第五禅唯作心(85)を基礎禅にして阿羅漢聖者の]禅定による六つの神通力(chaḷabhiññā)の 強い要因によりて説明されている。実に禅定の成就に依りて六つの神通力に達し、それより他に依るに非ず。

[六つの神通力とは、 1.神変智、2.天耳智、3.他心智、4.宿住智、5.天眼智、6.漏尽智である(註)]。
(※ 註:『清浄道論』第十三品『神通の解釈』参考)


【参考】六神変:※ 註:Dhp-U.p94、註①「神通」より

神変智(iddhividhā ñāṇa)
空を飛び、地下に潜り、いろいろなものに化身できる智慧。

天耳智(dibbasota ñāṇa)
天人の耳のように遠くの声や小さな声も聞くことができる智慧。

他心智(cetopariya ñāṇa)
他人の心を読むことができる智慧。

宿住智(pubbenivāsa ñāṇa)
自己及び他人の過去世を知ることができる智慧。

天眼智(dibbacakkhu ñāṇa)
天人の眼のように肉眼では見えない遠い所や微小なものが見ることができる智慧。

漏尽智(āsavakkhya ñāṇa)
一切の煩悩を滅し尽くすことができる智慧。


智慧によりて[阿羅漢聖者の四つの]無碍解の区分の強い要因が説明されている。
[即ち、
①仏陀の教え・智慧に関するところの法無碍解(dhamma-paṭisambhidā)、
②仏陀の教えのその意味を区別するところの義無碍解(attha-paṭisambhidā)、
③仏陀の教えを分かりやすい言葉によりて表現するところの詞無碍解(nirutti-paṭisambhidā)、
④仏陀の教えを人々に説く弁無碍解(paṭibhāna- paṭisambhidā)の無碍自在である]。
実に智慧の成就に依りて四つの無碍解に達し、その他に強い要因のものはない。

【『清浄への道』に関する九つの説明 ④二つの極端な立場の回避と中道に親しく近ずくこと】

又、戒め[を守ること]によりて、片方だけの欲楽に夢中になる極端な[行為の]回避が説明されている。
禅定によりて、自ら[進んで]苦行を専ら修行すると称せられる[極端な行為の回避が説明されている]。
智慧によりて[苦・楽という二つの極端な立場から離れた]中道に親しく近ずくことが[説明されている]。

【『清浄への道』に関する九つの説明 ⑤欲界悪趣地などを超越する方法】

その中で、[三学の]戒めによりて[阿修羅・餓鬼・畜生・地獄の欲界]悪趣[地]などから超越する方法が説明されている。
[三学の]禅定によりて欲界から離れ出る方法が[説明されている]。
[三学の]智慧によりて[世間の欲界・色界・無色界における]一切の存在(=有, bhava)から 離れ出る方法が[説明されている]。

【清浄への道』に関する九つの説明 ⑥三つの行相による煩悩の捨断】

又、[三学の]戒めによりて[ちょうど、 夜、点じられた明かりによりて暗黒が破られるが如くの]彼分捨断(tad-aṇgappahāna)による煩悩の捨断が説明されている。
[三学の]禅定を妨げる惛沈睡眠・疑い・怒り・掉挙悪作・愛欲の五蓋を鎮伏する] 鎮伏捨断(vikkhambhana-ppahāna)による[煩悩の捨断が説明されている]。
[三学の]智慧によりて[ちょうど、雷に打たれた樹の如く、 涅槃を探し求めて追求して、煩悩を殺しながら行く聖道(ariya-magga)の智慧によりて
輪廻に結び付ける結縛などの諸法が、再び生じないようにその如くに捨断する] 正断捨断(samucchedappahāna)による[煩悩の捨断が説明されている]。

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